前回の話では『静止電位』とはなんぞやということについてお話しました。

 

今回は『活動電位』についてです。

 

静止電位の状態から活動電位へ

 

通常細胞は静止電位の状態です。

 

 

しかし細胞膜に電気的な刺激が与えられると、ナトリウムチャネルという扉が開いて、イオンの移動が始まります。

 

 

刺激によりナトリウムを通過させるナトリウムチャネルの扉がパカッと開くのです。その結果、細胞内の電位はプラスに傾きます。

 

 

この細胞内がプラスになった状態を『脱分極』というのです。

 

脱分極と筋肉の関係性は活動電位の説明が一通り終わって、お話します。

 

脱分極が起こった後は……

 

細胞内でのイオンの動きはこの脱分極だけでは収まりません。

 

刺激により扉が開かれたナトリウムチャネルでしたが、細胞内がプラスになるとすぐに閉じられてしまいます。

 

ナトリウムチャネルが閉じられた後は細胞内にナトリウムイオンが増えた状態です。

 

すると今度はカリウムイオンの移動が始まります。

 

すると再び

 

・細胞外の電位がプラス

・細胞内の電位がマイナス

 

この状態に戻ります。

 

これを『再分極』といいます。

 

しかしカリウムチャネルはそのまま扉を開いた状態です。一方通行の扉なのでカリウムはどんどん細胞外へ出てしまいます。

 

当然細胞内外の電位差は静止電位のときよりも大きくなりますね。

 

この状態を『過分極』といいます。

 

脱分極 → 再分極 → 過分極 → その後

 

細胞内外の電位差が過分極までいくとどうなるのでしょう。

 

冒頭で話したように、細胞は通常『静止電位』の状態です。

 

過分極まで起こると

 

・細胞内にはナトリウムイオン

・細胞外にはカリウムイオン

 

の状態となっています。

 

これを元に戻してくれるのが、再登場の『ナトリウムカリウムポンプ』です。

 

人体ってすごいですよね。

 

ちなみにこの活動電位の研究は現在薬物依存の分野でも注目されています。

 

薬物とラット

薬物を求めるラットの脳の神経細胞の活動電位を測定してみました。

すると『行動の抑制』に関わる領域で著しく活動電位が低下していたのです。

その後、その領域に磁気を利用して刺激を与えます。つまり活動電位を活発にしてあげたわけです。

するとそのラットは薬物に興味を示さなくなったというのです。

 

まだ科学的なエビデンス(根拠)が証明されているわけではありませんが、今後の治療に役立つと期待されている分野の研究です。

 

欲求ですら電気的に操ることが可能なんて……

 

すごいけど少し怖い気もしますね。

 

このことは薬物依存に関して、自らの意思だけではどうしようもないということの証明なのかもしれません。

 

少し話が逸れましたが、この大元は脱分極による筋収縮の話です。

 

脱分極で筋収縮が起こるメカニズム

 

ずいぶんと引っ張ってしまいましたが、これは難しい話ではありません。

 

脱分極が起こると、L型のカルシウムチャネルの扉が開きます。

※L型カルシウムチャネルはこちらの記事で触れています。

→現在作成中←

 

上記の記事でも述べていますが、カルシウムチャネルが開くことで、細胞内外でカルシウム濃度差が小さくなります。

 

その結果、収縮たんぱく質(アクチンとミオシン)が活性化され、筋収縮がおこるのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です