前回は粥状(アテローム)硬化についてお話しました。

動脈硬化の原因とリスクについて その1【粥状(アテローム)硬化】

2018.04.16

 

今回は3つある動脈硬化のうちの2つ目である中膜硬化についてです。

 

こちらは血管の石灰化に深く関わっています。

 

あなたは胸部や腹部のCTを撮影したことはありますか?

 

もしかしたらその検査結果の説明で

『血管に石灰化がありますね』

と言われませんでしたか?

 

 

石灰化も動脈硬化の1つです。

 

血管の石灰化の原因は中膜

 

『中膜』とは動脈の3層構造の真ん中にある『平滑筋』のことです。

 

3層の中で最も分厚いのが中膜です。
この中膜(平滑筋)という筋肉があるため血管は形状が保てているのです。

 

 

この平滑筋は筋肉です。
筋肉であるため収縮と弛緩を繰り返しています。

 

その原理はカルシウムイオンでしたね。

血管が収縮する仕組みとは?細胞のカルシウムチャネルの重要な働き

2018.03.26

 

筋肉を動かすためのカルシウムですが、このカルシウムが石灰化の原因にもなるのです。

 

中膜が石灰化を起こす理由

 

ではここから中膜に石灰化が起こる原因についてお話していきます。

 

主に石灰化の原因は4つです。

 

石灰化の原因
  1. 加齢
  2. 細胞の自滅(アポトーシス)
  3. カルシウムパラドックス

 

①加齢

 

平滑筋は筋肉であるため、年齢とともに劣化していきます。

 

また動脈平滑筋の周りには弾性板という膜が存在しています。

 

弾性板は年齢とともに断裂や走行の乱れを生じます。

 

 

この断裂や変性した弾性板にカルシウムの沈着が起こるのです。

 

②細胞の自滅(アポトーシス)

 

年齢とともに平滑筋細胞が弱ってくると、細胞膜の機能が低下していきます。

 

以前の記事でもお話していたイオンチャネルやポンプがうまく機能しなくなるのです。

さらに粥状硬化の原因である酸化LDLなどのストレスがより悪影響を及ぼします。

 

その結果、起こるのが細胞の自滅です。

 

この自滅した細胞にカルシウムなどのミネラルが沈着して、石灰化で起きるのです。

 

③カルシウムパラドックス

 

以前の記事でカルシウムパラドックスについてお話しました。

体内にカルシウムが足りなくなると逆に増える?【カルシウムパラドックス】

2018.04.10

 

カルシウムパラドックスとは、体内のカルシウム量が減ることで骨からカルシウムが取り出されてしまう現象のことです。

 

そのためカルシウム不足の状態にも関わらず、体内のカルシウム濃度が上がってしまうのです。

 

このカルシウム濃度上昇により、血管の石灰化がより進行します。

 

また、骨からカルシウムが抜かれるために骨粗しょう症などとも深い関連があります。カルシウムパラドックスはカルシウム不足に対する応急処置であるため、何一ついいことはないのです。

 

極力普段からカルシウムの摂取には気を付けておくに越したことはないでしょう。

 

今回は中膜硬化についての話でした。

 

次は3つある動脈硬化のうちの3つ目、細動脈硬化についてお話していきます。


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