前回の記事では血圧について基礎的なことをお話しました。

血圧って何?『上の血圧』と『下の血圧』の違いをご存知ですか?

2018.03.23

 

血圧は収縮期血圧と拡張期血圧の2つがあるということがおわかりいただけたと思います。

 

今回は心臓ではなく血管についてです。
血管は血液の輸送のために収縮と弛緩を繰り返します。

 

実は血管の動きにはカルシウムが大きな役割を果たしているのです。血圧はもちろんのこと、骨粗しょう症や血管の石灰化にも深い関わりをもつカルシウム。

 

カルシウムについては数回に渡りお話していきます。

 

それほど重要な働きを担っているのです。

 

記事内容

血管の筋肉

カルシウムの働き

筋肉が収縮する仕組み

カルシウム濃度について

 

実は血管にも筋肉があります

 

血管内を血液が通過するとき、血管も収縮と弛緩をしています。

 

その収縮と弛緩をコントロールしているのは『平滑筋』という『筋肉』です。

 

意外かもしれませんが、血管にも筋肉が存在するのです。

 

マメ知識
平滑筋は自らの意志で動かすことません。これを『不随意筋』と言います。

眼球の瞳孔散大や鳥肌などは自分の意志とは関係なくおこりますよね。これは不随意筋であるためです。

逆に自らの意志で動かすことのできる筋肉は『随意筋』と言います。

 

筋肉も含めた血管の構造についてはこちらでお話しています。

血管の構成(内膜・中膜・外膜)について

2018.03.28

 

この平滑筋が収縮と弛緩を繰り返すことで血管は血液をスムーズに輸送しています。

 

筋肉をコントロールしているのはカルシウム

 

血管(平滑筋)の収縮と弛緩はカルシウムによって制御されています。骨や歯にカルシウムが多く含まれているのは有名な話ですね。

 

体内のカルシウムのうち99%が骨や歯に存在しています。そして残りの1%が神経や筋肉や血液内に存在するのです。

 

この1%のカルシウムが非常に重要な働きをしています。

 

まずは考えやすいように血管が弛緩している状態をベースに考えていきましょう。

 

血管(平滑筋)が収縮する仕組み

 

ではどのような仕組みでカルシウムが血管を収縮と弛緩させているのでしょうか。

 

簡単に説明します。

 

平滑筋に存在するカルシウムは、体内に存在するうちのたった1%以下の量ですが、弛緩状態の血管(平滑筋)では細胞の内側と外側で10000倍もの濃度差があります。

 

 

この濃度差が小さくなると収縮タンパク質の働きが活発になります。そのため筋肉が収縮するのです。

※細かい話をするとアクチンやミオシンというタンパク質の話になります。次の記事をご覧下さい。

 

つまり平滑筋にカルシウムが流入することで血管が収縮するのです。
(カルシウムの流入=カルシウム濃度が上がる)

 

これは平滑筋に限らずすべての筋肉で共通して起こることです。そのため筋トレをする際にもカルシウムの摂取は重要となります。

 

カルシウム濃度はなぜ上がるのか

 

では続いてカルシウム濃度が上昇する理由についてです。

 

ここからは生理学の分野になります。

 

カルシウム濃度が上がる原因は2つ。

 

カルシウム濃度上昇の原因
  1. 細胞外からのカルシウムの流入
  2. 細胞内からのカルシウムの放出

 

この2つの働きにより細胞内と細胞外のカルシウム濃度差が小さくなります。

 

ではこのカルシウムの流入と放出についてさらに詳しく見ていきましょう。

 

細胞外からのカルシウムの流入

 

細胞外からのカルシウムの流入には2つの経路があります。

 

細胞外からのカルシウム流入経路
  1. 膜電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)
  2. 受容体作動性カルシウムチャネル(ROCC)

 

小難しそうな言葉ですが、難しいのは言葉だけです。笑

 

 

①膜電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)とは?

 

通常細胞の外側は『+』の電荷を帯びています。それに対して細胞の内側は『-』の電荷を帯びています。

 

詳しくはこちら
→作成中←

 

『+』と『-』のため互いにくっつきそうですが、その間には『細胞の膜』があります。この細胞の膜には『扉』が存在します。この扉に『鍵』が差し込まれることにより扉が開くのです。

 

 

扉が開くことで細胞内外で物質が行き来できるようになるのです。

 

※この扉は特定の物質しか通さない性質があります。

 

今回の扉は『カルシウムチャネル』なのでカルシウムしか通しません。

 

扉が開くと、『+』の電荷を帯びたカルシウムイオンが『-』の状態である細胞内に流れ込みます。

※通常生体内のカルシウムはCa2+という+の電荷を帯びた状態で存在します。

 

 

これが膜電位依存性カルシウムチャネルというものです。

 

さらにこのカルシウムチャネルにも種類があります。
平滑筋においてカルシウムをやり取りする扉は2つでそれぞれ『L型』『T型』と言われます。

 

マメ知識

アダラートやノルバスク、アムロジンに代表されるカルシウム拮抗薬。

この血圧を下げる薬は『L型』の扉の鍵を防ぐことで、扉を開かなくします。扉が開かなければカルシウムが細胞内へ流入しません。

その結果、平滑筋が収縮しないため血圧が下がるのです。

 

※『L型』と『T型』では圧倒的に『L型』の影響が大きいとされています。

 

 

②受容体作動性カルシウムチャネル(ROCC)とは?

 

実はこちらは未だにはっきりと解明されていないものです。

 

いくつかの研究結果からVDCCを抑制した状態でも、細胞内のカルシウム濃度が上昇することが知られていました。このことからROCCの存在は認知されています。

 

ROCCに関係すると考えられているのが、『リガンド』です。リガンドとは神経伝達物質やホルモンの総称のことです。

 

これが先ほどの扉を開く『鍵』にあたります。ちなみに『鍵穴』は『受容体』と言われます。

 

マメ知識

鍵(リガンド)には種類があります。

 

  • 『アゴニスト』  → 扉を開く鍵
  • 『アンタゴニスト』→ 扉を開かなくする鍵

 

薬にはこのアンタゴニストの働きをするものが多くあります。

 

※厳密には『リガンド』と『アゴニスト・アンタゴニスト』は異なります。あくまでイメージとして捉えて下さい。

 

このリガンドがROCCのカルシウム濃度変化に関係があるとされていますが、まだ分子レベルでは未解明な部分が多い分野です。

 

VDCCに比べるとROCCでのカルシウム流入量ははるかに少ないと考えられています。

 

今後の研究次第では新薬の開発等に大きな影響を与える分野かもしれません。

 

細胞内からのカルシウムの放出

 

ここまでは細胞の外からのカルシウムの流れについてでした。

 

しかし実は細胞内にもカルシウムを蓄えている組織があります。

 

それが『筋小胞体』です。

 

細胞内からのカルシウムの放出

筋小胞体からのカルシウムの放出

 

細かい説明は省きますが、鍵穴(受容体)に鍵(アゴニスト)が差し込まれるとIP3とDAGという物質が生産されます。

 

このIP3が作用して、平滑筋内の『筋小胞体』からカルシウムが放出されるのです。

 

 

 

お疲れ様でした。
以上のように細胞内外からのカルシウム作用により血管は収縮します。

 

そのためカルシウムの摂取は非常に重要です。カルシウムが不足すると体内ではカルシウムパラドックスが起こってしまいます。

 

カルシウムが不足するために、体内でカルシウムが増えてしまうという矛盾です。

 

カルシウムパラドクスについてはこちら

→現在作成中←

 

今回は血管(平滑筋)へのカルシウムの流入・放出についてお話しました。次回は平滑筋が収縮するまでについてです。

 

次の筋肉が収縮する働きは平滑筋に限らず、すべての筋肉で起こる現象です。もし筋トレをされている方であれば知っておいて損はない話です。

 

ただ少し難しい話になるため、興味のある方だけご覧下さい。


本気で改善したい方のみご覧下さい。宣伝でもなく、販売でもなく、私が実際に行った『やり方』をお伝えします。やれば必ず変化が起きます。

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