MRI検査とCT検査の違いは?装置や病院によって内容や料金が違う?

よく患者様から『MRI検査とCT検査の違いって何ですか?』と聞かれます。

あなたはMRI検査やCT検査はどこで受けても料金は同じだと思ってませんか?

装置によって画像の質や検査にかかる時間に違いがあることはご存知ですか?

MRI検査とCT検査の違い

フィルム

あなたに何らかの症状があり、検査を行う場合どのように検査を使い分けると思いますか?病院や医師の方針にもよりますが、おおまかには下のような使い分けになります。

 

  • 脳梗塞ではMRI検査
  • 脳出血ではCT検査

 

しかし、どちらの検査でも梗塞・出血は判別可能です。それぞれの特徴をみていきましょう。

 

MRI検査

  • 磁石を利用した検査
  • 検査時間は比較的長い(10分~40分程度)
  • 放射線は使用しない
  • 検査中の音が大きい
  • 主に関節や軟部組織の検査に適している
  • 脳卒中では脳梗塞の発見に優れる
  • 検査室内に金属類の持ち込み厳禁

 

 

MRIは磁石を利用した検査のため、体への影響はほとんどないと考えられています。

 

しかし脳動脈クリップや心臓ペースメーカー、人工内耳などを体内に埋めている場合は、機器が誤作動を起こす恐れがあるため、検査できない可能性があります。(現在では条件付きで心臓ペースメーカーでも検査可能な場合もあります)

 

MRI検査ができない場合についてはこちらで詳しくお話しています。

 

このように化粧や刺青など一見無関係に思えるものも注意が必要なのです。

 

脳卒中においてMRIは脳梗塞の発見に優れますが、組織の変化を観察するため、発症直後では画像所見に乏しい場合もあります。

 

CT検査

  • 放射線を利用した検査
  • 被ばくを伴う検査
  • 短時間で検査できる
  • 骨や出血を観察するのに適する
  • 脳卒中では脳出血やクモ膜下の発見に優れる

 

こちらはX線を利用した検査のため放射線被ばくを伴います。心配される患者様もいますが、健康被害がでるほどの放射線量ではありません。目安として

 

1回の胸部CTでの被ばくは10mSv程です。

 

イランやインドでは地面からの放射線量が1年間で50~80mSvもあることを考えると、検査で受ける被ばく量がわずかであることが伺えます。

 

もしあなたが脳出血の疑いで検査したのであれば発症直後に判別することは可能です。脳梗塞だと画像所見が出るまで発症から3時間ほどかかる場合もあります。

 

MRI検査とCT検査の料金について

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CTやMRIは機械が大きいので、その検査料金が気になるという方も少なくありません。また検査予約をされた方でも経済的な負担を控えるためキャンセルされる場合もあります。

 

ここからは実際のお金の話をしていきましょう。

 

財布やバッグを購入するとき、聞いたこともないメーカーとヴィトンやグッチのようなブランドでは価格も品質も違いますよね。医療業界も同様です。撮影する装置のスペック(性能)により料金が異なります。

 

MRI検査の料金(装置による違い)

2016年3月現在の保険制度での検査料金

  • 3テスラ以上      → ¥16,000
  • 1.5~3テスラ    → ¥13,300
  • 1.5テスラ未満  → ¥9,200

 

※テスラというのは磁石の強さを表す単位です。数字が大きくなるほど磁場が強くなり画質が向上します。こちらの料金は検査のみの料金です。実際の支払額については後述します。

 

CT検査の料金(装置による違い)

2016年3月現在の保険制度での検査料金

  • 64列以上のCT      → ¥10,000
  • 16列以上64列未満のCT     → ¥9,000
  • 4列以上16列未満のCT    → ¥7,700
  • 上記以外          → ¥5,800

 

※列というのは検出器というCTの内部構造の特徴を表すものです。多ければ多いほど短時間で鮮明な画像が得られます。

 

いかがでしょうか?MRIでは最も高額な装置との差額が約¥7,000、CTでは約¥4,000です。少し驚きますよね。しかし日頃検査を行っている立場からすると

 

  • MRIは1.5テスラ以上
  • CTは16列以上

 

 

での検査をお勧めします。画質によっては細かい病変の拾い上げや病変かどうかの判断が難しくなる場合があるためです。特にMRIでは検査時間と画質の違いが顕著に現れます。

 

0.3テスラと1.5テスラの装置を比較してみます。脳のMRIと脳血管を撮影するMRAという検査を行った場合

 

  • 0.3テスラ → 撮影時間 45分~60分  画像処理時間 45分~60分
  • 1.5テスラ → 撮影時間 06分~20分  画僧処理時間 撮影中に処理可能

 

このように大幅に変わります。画質も大きく異なります。0.3テスラの画像が手に入らなかったため、1.5テスラと3テスラ画像で比較してみましょう。(左が3テスラ 右が1.5テスラ)

比較

末梢の血管の見え方の違いがお分かりいただけるでしょうか?

私が働いている病院では昔0.3テスラのMRI装置でした。現在は1.5テスラの装置ですが、装置の入れ替え前後で検査時間と画質の違いには非常に驚きました。

 

ではどのようにして検査する病院(装置)を選べるのでしょうか。

 

検査装置の選択

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もし大きな病院であればスペックの異なる機械を所有していることもありますが、そのほとんどが大学病院や済生会病院、日本赤十字病院など受診するには紹介状が必要な病院が多いでしょう。

 

ほとんどの方が近所のクリニックや医院などをかかりつけ医にされていると思います。あなたのかかりつけである病院に検査装置がなく、検査が必要と判断された場合、近くの比較的大きな病院に検査を受けに行くことになります。

 

その際、系列病院がある場合はそちらに検査紹介されることが多いです。系列病院がない場合は近くの検査装置のある病院に医師が検査を依頼します。

 

そのとき最初にどこの病院がいいか希望を聞かれます。(Drの判断で病院を指定される場合もあります)ここであなたに選択肢が生まれるのです。

 

検査が必要となる場合に備えて、近くの病院の検査装置を一度調べておいても損はないと思います。検査装置がある病院であれば、どのような装置を導入しているのか、ほとんどの病院のホームページに記載されています。

 

病院による料金の違い

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病院を調べたはいいけど、装置が同じなら検査料金は同じ?と疑問になりませんか?

 

答えは『Yes』です。

 

検査料金は診療報酬という厚生労働省が定めた規定により料金が決められています。ここでポイントは『検査料金は』ということです。現在の医療制度はすべて診療報酬という点数により料金が算定されます。

 

支払い金額

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診療報酬とは簡単に言うとポイントのようなものです。1点10円で計算されます。

 

上記のMRI検査ならば3テスラ以上の装置は1600点ということになります。受診の際は他にも

 

  • 【初診料で282点再診であれば52点】
  • 【電子画像管理加算420点】      → 画像をサーバーで管理している
  • 【画像診断管理加算で70点or180点】 → 画像専門医による報告書を作成している

 

 

このような診療報酬はあなたの疾患や病院の設備や規模により料金に差が生まれる部分です。ここで記述しているのは診療報酬のごく一部です。そのためこちらでも一概にこの検査を行えば支払いはいくらになりますよとは言えないんです。

 

最終的な金額はすべての点数を足した数×10となりますが、実際に会計で支払う自己負担金額は公的医療保険により定められています。

 

  • 70歳未満     → 3割負担
  • 70歳以上~75歳 → 2割負担(所得に応じて3割)
  • 75歳以上     → 1割負担

 

費用の目安

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以上のことを踏まえた上で診察料などを含めた費用のだいたいの目安は

 

  • 1.5テスラMRI装置  ¥7,000~9,000程
  • 16列CT装置        ¥6,000~8,000程  と考えておいてください。

 

 

詳しい金額が知りたい場合は病院の受付に問い合わせてみましょう。丁寧に説明してくれる病院は対応もしっかりしています。

 

いかがでしたでしょうか?

 

病院や装置の違いによる料金についてお話してきました。病院によってはこのような情報がなにも提示されないまま検査を行う場合も多々あります。

 

決して安くはない金額ですので、一度情報を集めてから検査に臨むことも大切ではないでしょうか。

最期までお付き合いいただきありがとうございました。

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