今までの記事で血圧についてカルシウムが一定の働きをしていることをお話してきました。

 

今回は逆にカルシウムが不足した場合は体内でどのようなことが起こるのかについて説明していきます。

 

タイトルにも書いていますが、結論から先に言うと
体内にてカルシウム不足が生じると、血液中のカルシウム濃度が上昇します。

 

完全に矛盾してますよね。

 

矛盾が生じるということは、不都合な現象が起こっているということです。

 

カルシウムの血管に対する作用

 

カルシウムの細胞内への流入出が血管の平滑筋を収縮・弛緩させるということはこちらでお話しました。

 

ではカルシウムが不足した場合はどうなるのでしょうか。

 

イメージとしてはカルシウムが不足すると細胞内外の濃度差が生じにくくなり、平滑筋の収縮が起きなくなりそうですよね。

 

しかし実際は逆なんです。
カルシウムが不足することで体内では以下の現象が起こります。

 

カルシウムパラドックス

 

カルシウムが体内で不足すると、副甲状腺からパラトルモンというホルモンが分泌されます。

 

 

このパラトルモンは血液中のカルシウム濃度を上昇させます。

 

これがカルシウム不足にも関わらず、カルシウム濃度が上がる原因です。これを『カルシウムパラドックス』といいます。

 

問題はどのようにカルシウム濃度をあげているかという点です。

 

 

パラトルモンはカルシウムの貯蔵臓器である骨からカルシウムを取り出します

 

 

これはカルシウム不足が生じた際の生命維持のための機能です。しかしこの機能は緊急処置に近いものです。

 

当然その代償を払う必要があります。

 

カルシウムパラドックスの弊害

 

カルシウムパラドックスにより人体にとって不都合なことが起こります。

 

それはなぜなのか。
パラトルモンは必要以上のカルシウムを骨がら取り出してしまうためです。

 

カルシウムパラドックスによる弊害
  • 動脈硬化(カルシウムの血管壁への沈着)
  • 高血圧(平滑筋の収縮)
  • 骨粗しょう症(骨のカルシウム量の減少)
  • アルツハイマー型認知症(脳のカルシウム含有量の増加)

 

ある論文では、高血圧は塩分のコントロールはさほどの影響はなく、カルシウム不足問題が重要であるとの見解を示しているものもあります。

 

また日本骨代謝学会では以下のような記載があります。

 

山岳地帯では海岸部に比べて骨密度が低く、大動脈石灰化が強く、又驚いたことにうつ状態と関連しているといわれる自殺率が10倍も高いことが分かった。即ちカルシウム・パラドックスにより骨粗鬆症と共に動脈硬化も、最近カルシウム・ビタミンD不足との関係が指摘されているうつ状態も起こった可能性がある。紀伊半島では食生活の改善と共にこれらの疾患は減少している。

参考URL:日本骨代謝学会

 

このようにカルシウム不足は様々なリスクが生じるため、食品やサプリメントでの積極的な摂取をオススメします。

 

 

お疲れ様でした。

次回はカルシウムの推奨摂取量や不足時の自覚症状についてお話していきます。

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