これまで脳梗塞や脳出血、高血圧などについていろいろと書いてきましたが、実際に起こってしまったときのことについてはあまり触れてきませんでした。

 

今回は仮に発症してしまった場合に、行うべき対応と病院での流れを記事にしてみます。

 

脳梗塞の症状が出た時の病院での流れ

 

こちらの記事では脳梗塞の症状が出現したとき、病院受診時の流れと対応を紹介していきます。もし今現在あなたに脳梗塞のような症状が現れている場合はこちらの記事を先に読まれて下さい。

 

 

症状病院に到着してからの主な流れは

 

  1. 問診
  2. 診察
  3. 血液検査
  4. 胸部X線
  5. 心電図
  6. CT検査
  7. MRI検査

 

このような流れになります。

 

問診

 

症状や病歴などを詳しく聞いていきます。

 

どんな症状か

いつからか(発症日時)   ←この情報が一番大事です

どのくらい続いているか

既往歴(今までの病気)

現在飲んでいる薬

生活習慣(飲酒・喫煙等) 

家族歴          など

 

なるべく正確な情報を伝えて下さい。

 

一刻を争う場合もあるので必要な情報を正確に伝えるよう心がけましょう。
可能であれば症状が現れた、もしくはおかしいと思った時点で

 

  • 自分でメモを取る
  • 自宅ならば家族、職場なら同僚に異常を訴える

 

といったことをしておいて下さい。診察や検査時に非常に有用な情報となります。

 

診察

ドラマや映画などで救急隊員や看護師がバイタル安定してますとか言ってますよね。

 

このバイタルサイン(呼吸・脈拍・血圧・体温)非常に重要。

 

体に異常が起こった場合、このバイタルサインに変化が現れます。
そのため診察前には必ずバイタル測定を行います。

 

血液検査

針が体に入る瞬間が苦手という方も多いです。私は好きなので、入る瞬間に凝視してしまうタイプなのですが……

 

こちらは診察と前後する場合もあります。結果が出るまで1時間程かかる項目もあるため、診察前に採血しすぐに解析に回すためです。

 

脳梗塞様の症状であっても原因は脳梗塞ではないこともあります。血液はいろいろなことがわかるのでこれも重要。

 

胸部X線

『脳梗塞疑いなのに胸のレントゲン?』と思いますよね。しかし

 

全身に血液(主に酸素)を運ぶための臓器である心臓と酸素を体内に取り込むための臓器である肺。

 

どうでしょう?
このような言い方だと『そう言われると大事な気がする』と思いませんか?

 

脳梗塞には心臓が原因となるタイプもあります。また肺炎を起こして。血液中の酸素濃度が低いこともあります。通常では関係ない検査と思われるかもしれませんが、全身に目を配る必要があります。

 

心電図

こちらも胸部X線と同様です。心臓での血栓による脳梗塞(心原性脳梗塞)や心不全、心筋梗塞などのリスクチェックも含めての検査です。稀なケースですが、脳梗塞と心筋梗塞を同時に発症したと考えられる症例もあります。

 

病名に関わらず、入院の際は胸部X線と心電図を検査する病院がほとんどです。

 

CT検査

脳梗塞疑いの場合、まずは脳出血やクモ膜下出血がないか確認するため、頭部CTを行います。

 

脳梗塞のみの診断ならMRIで十分です。
しかし出血があった場合のその後の対応や検査にかかる時間等を考慮しCTを先に撮影することも少なくありません。

 

緊急でない場合はCTは被ばくを伴うためファーストチョイスはMRIの方が理想です。

 

CTを先に撮影するメリット
  • 検査時間が短い(MRIは長い)
  • 治療方針の決定に出血の有無の確認が必須(これはMRIでも確認可)
  • 脳動脈クリップ等の金属の有無

 

MRI検査

脳梗塞であればほとんどの場合、この検査で判別することができます。『ほとんど』といったのは、

 

発症直後であればまだ画像に所見が現れていない可能性があるためです。

 

脳梗塞発症から1時間ほどで画像上は判別可能な変化が現れます。MRIでの脳梗塞の判別はDWI(ディフュージョン)という画像撮影法で一目瞭然です。

脳梗塞

左下の白く光っている部分が脳梗塞を起こした部位になります。この脳のどの部位に梗塞が起こったかで症状の現れ方が異なります。

 

では脳梗塞の発見後はどのような治療があるのでしょうか?

 

治療開始までの初期対応が重要なワケ

 

脳梗塞発症が判明してからの治療で最も頻度が高いものは、血液サラサラの薬を飲むということです。

 

起こった脳梗塞に対しては何もしないということが一般的なのです。なぜなのか?

 

  • 麻痺が残らないように回復してもらいたい
  • 後遺症が残らないようなんとかしたい
  • 今まで通りの生活を送ってもらいたい

 

脳梗塞発症患者様の対応にあたるすべてのスタッフが抱いている思いです。確かに後述するrt-PA療法やカテーテルを使用した動脈内血栓溶解療法などの治療法はあります。ですが

 

治療には当然リスクが伴います。

 

患者様の予後

薬剤使用の副作用のリスク

服用中の薬との相互作用

治療の適応条件      など

 

様々なことを考慮し想定した上で、何が目の前の患者様にとってベストな選択かを判断します。

 

ご家族がその場にいる、もしくは連絡がつく場合は選択肢を提示した上で、判断をお願いすることもあります。

 

少し話が逸れましたが、脳梗塞の対する治療は様々な要因が絡み合っています。

 

rt‐PA療法

こちらは脳梗塞の原因である脳の血管を塞いでいる血栓を溶かす薬剤を投薬する治療法です。

 

発症後4時間30分以内(2012年以前は3時間以内)で、治療の適応条件を満たしていれば第一選択の治療法です。

 

動脈内血栓溶解術

こちらはまずカテーテル(細い管)を血管の中に入れて脳の血管まで進めます。血栓にて詰まっている脳血管の手前までカテーテルを進め直接血栓を溶かす薬剤を注入するという治療法です。

 

発症後6時間以内が有効とされています。

 

どちらも治療開始が早ければ早いほど、良好な回復が期待される治療法です。しかし血栓を溶かすという性質上、逆に出血を誘発するリスクもあります。

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

脳梗塞は治療法に発症から治療開始までに時間制限があります。そのため発見から確定診断までのスピードが非常に重要です。

 

生存率と後遺症を残さない可能性を少しでも上げるために、ご協力をお願いします。

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