脳梗塞後ワーファリン服用中に脳出血?嘔吐から右麻痺が生じた症例

脳梗塞の発症後にワーファリンを服用されている方は多くいます。

抗凝固剤の使用は出血のリスクを含みます。

だからといって服用しないのは梗塞の再発の危険性が高いです。

今回の症例は患者様が高齢であったことも要因の一つです。

※症例は一部脚色して記載しています

脳梗塞後ワーファリン服用中に脳出血

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まずは実際の症例を。

 

95歳女性。
10年前に脳梗塞発症。
来院時血圧70/50。
意識レベル300(反応なしの状態)。

 

脳梗塞後は特別養護老人ホームに入所。
普段あまり発声はないが、問いかけには笑顔で答える。
症状は深夜1:00に嘔吐。その後早朝6:00に再び嘔吐。

 

このとき動かすことのできていた右側に完全麻痺があることに気づく。
その後意識レベルが徐々に落ちてきた。

 

全く問いかけに反応しなくなったため、施設車にて救急外来に搬送。

 

バイタル測定後、すぐに頭部CTのオーダーです。
そのときの画像がこちら。

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出血がありますね。頭蓋内の白い部分が出血です。
画像所見から左側頭部(画像に向かって右側が左)の出血で脳室穿破を起こしています。流出した出血が脳槽から脊髄周囲にまで広がっています。

 

2枚目の画像では脳の左側の出血により右側が圧排されている状態がうかがえます。

(2枚目3枚目は中心が画像に向かって左に膨らんでますね)

 

 

脳出血の場合はこの圧排が最も問題になります。

 

 

白い部分である血腫が大きくなり、頭蓋内圧が上昇してしまっている状態です。血腫により圧力が高くなると脳実質の逃げ場がなくなり脳ヘルニアといわれる状態になります。これが原因で亡くなる場合もあるのです。

 

家族への説明と治療方針の相談を行い、そのまま入院となりました。

 

通常であればこのままでは脳の圧力があがってしまうため、外科的に手術を行います。脳を圧迫している血液を抜く処置を行うのですが、年齢や体力、出血量から手術の適応外でした。

 

この方は残念ながら3日後に亡くなられました。ご冥福を心よりお祈りします。

 

脳出血のときの血圧

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この方の場合、来院時の血圧は70/50とかなり低い値でした。脳出血の場合、体の反応は人により様々ですが、

 

発症直後には血圧の上昇がみられます。その後急激に下降することが多いです。

 

脳出血の症状は片麻痺やしびれ、言語障害や脱力、視覚異常などいくつかあります。その中でも

 

激しい頭痛と吐き気が代表的な症状になります。

 

そのような症状があった場合は、血圧とともに注意してみて下さい。血圧測定とともに安静にすることも大事ですが、もしかして……と思うときは、まずは医療機関い問い合わせましょう。

 

 

ワーファリンの服用は出血のリスクが生じます。
ですが、それ以上に服用しないリスクが高いことも事実です。
特に脳梗塞発症後であれば、服用しない場合、再発の危険性が非常に高くなります。

 

 

まずは医師と相談の上、薬を服用しながら生活習慣の改善を少しづつ始めてみましょう。

 

 

そうすることで、『脳梗塞』『脳出血』どちらの危険性も抑えることができます。

 

 

いかがでしたでしょうか。
ひと昔に比べると脳出血の患者様はずいぶんと少なくなりました。

 

これは降圧剤をはじめ、コレステロールの薬など生活習慣病の治療薬と治療率の増加によるものです。

 

薬は服用しない方がいいとの意見もあります。
確かに自然の流れに任せることも一つの方法だと思います。

 

 

しかし事実として、食の欧米化が進んでいる現代において、治療率の増加とともに脳出血の発症率はひと昔に比べ確実に減っています。

 

 

正しい知識と理解を持ち、健康管理をしていきましょう。
最終的に生活習慣や薬の選択をするのはあなたん判断です。

 

当ブログがあなたの判断材料の一つとしてお役に立てれば幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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