もし自分が脳出血を起こしてしまったらと考えたことはありませんか?脳出血は何の前触れもなく発症することが多い疾患です。

 

平成25年の厚生労働省の統計では脳(内)出血で亡くなった方は年間約3万3千人
もちろん発症者数はこの何倍にもなります。

 

今回の記事では

 

脳内出血とクモ膜下出血の違い

脳内出血の症状

脳内出血の死亡率

 

これらについてお話していきます。

 

脳内出血とは

もしかしたらあなたは頭蓋内で起こった出血を脳出血と考えているかもしれませんね。こちらでお話しているように、脳出血は厳密に言えば2つに分けられます。

脳卒中とは?脳梗塞や脳出血との違い!前兆や予防や原因は?

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このように脳出血とは『脳内出血+クモ膜下出血』のことを言います。

 

脳内出血   → 脳の内部で発生した出血
クモ膜下出血 → 脳の表面で発生した出血

 

今回はこのうち脳内出血についてです。

 

脳内出血の症状とは

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一般的には激しい頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺が代表的な症状になります。脳は様々な機能を司る臓器のため発症部位や血腫(出血)の大きさにより症状は様々です。

 

こちらではより詳しく出血が起った部位による症状を記載しています。

高血圧性脳出血の好発部位とその症状は?めまいが最も厄介な後遺症?

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脳内出血の前兆

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思わせぶりな見出しの書き方になってしまいましたが、脳内出血に前兆はほぼないと思っておいて下さい。そのため前兆をいかに察知するかではなく、

 

発症時の初期対応が非常に重要となります。

 

しかし、前述した症状を知っていたとしても、実例を見たことがなければ判断が難しい場合がほとんどだと思います。そこで以下の症状がどれか一つでもあればすぐにでも病院に行って下さい。

 

今までに経験したことないような激しい頭痛

意識障を起こしている

左右どちらかの手足に麻痺やしびれがある

呼吸障害を起こしている

首付近が硬直している

目の向きや瞳孔の動きの異常

嘔吐を伴うひどいめまい

 

脳で出血が起こると時間とともに出血により血腫が脳実質を圧迫していきます。

 

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こちらはCTの画像ですが、白い部分が血腫です。血腫に押され脳実質が圧迫されていることがわかります。治療法にもよりますが、一刻も早い初期対応が後遺症や障害の程度に影響を与えるため、疑わしい場合はすぐに病院に行きましょう。

 

脳内出血の原因

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ほぼ毎日のように救急搬送されてくる脳出血の患者様のカルテには高血圧の記載が多くあります。脳出血のリスクファクターには野菜不足やストレス、飲酒など様々な要因がありますが、やはり一番のリスクは高血圧と動脈硬化です。

 

 

逆に言えば、高血圧と動脈硬化をきちんと管理できれば、脳出血の発症率はぐっと下げることが可能です。

 

 

現在は脳出血よりも脳梗塞の発症率が高いのですが、1960年代までは脳出血による死亡者が多くを占めていました。その当時に救急で働いていた医師によると

 

『当時の救急は毎日患者がひっきりなしにきてたね。救急車がまたきたと思ったらそのほとんどが脳出血だったよ。今でも脳出血の患者さんは多いけど、当時は今とは比べものにならないくらい多かったよ。でも脳梗塞の患者さんは今ほど多くはなかったね。』

 

『今思い返してみても、当時は本当に脳出血の患者さんが多かった。救急搬送=脳出血は大袈裟かもしれないけど、それぐらいの数がいたんだ。』

 

いかに脳出血の患者様が多かったのかがわかります。それもそのはず、当時は脳出血のはっきりとした原因がまだ判明していなかったのです。

 

しかし、1960年代後半から脳出血の数は急激に減っていきます。それは大規模な調査が行われ、脳出血と高血圧の関係性が判明したのです。そこから年々高血圧の治療率が上がるにつれ、脳出血の死亡率も下がってきます。

 

つまり脳出血の予防とは高血圧の改善なのです。
こちらでは私が実際に3ヵ月で血圧を改善した方法を画像付きでご紹介しています。

 

 

では現在の脳出血を発症したときの生存率や死亡率はどうなっているのでしょうか。

 

発症したときの生存率や死亡率

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もしあなた自身や身近な人が脳出血になったとき、脳内出血発症の一報を受けてまず最初に気になるのは生存率や死亡率ではないでしょうか?

 

 

『発症して生き残る確率はどのくらいか?』
これは一般的に言われている脳出血の死亡率は約15%程(発症~1ヵ月)とされています。

 

 

しかし脳出血は生じる部位によって生存率や死亡率に違いがあります。例えば脳幹出血ではその致死率は50%以上とも。今までは詳しい生存率や死亡率の情報を調べたことがなかったため、文献や論文などを調べてみたのですが、正確な数字は見つけられませんでした。

 

確かに生存率や死亡率の統計をとることは難しいのかもしれません。脳出血(脳内出血+クモ膜下出血)の年間死亡者数だけでも45000人以上との統計が出ています。そして脳血管障害(脳卒中)の発症数は100万人以上も。もしどなたかご存知の方がいれば連絡いただけると助かります。

 

 

毎年多くの方が亡くなっている脳内出血ですが、確実に言えることは発症から治療開始までは早ければ早い程いいということです。

発症直後~20分以内の治療開始で生存率は90%にも上がります。

 

 

もしかしたらと不安になることがあれば、前述した初期症状を頭の片隅に置いていただき早急に病院受診されることを強くお勧めします。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

脳内出血に前兆はほぼありません。最も望ましいことは発症しないことです。
誰しもがそう思っているでしょう。しかし、同時に起こってしまったことに対しては正しい対処を行うことが望まれます。

 

何の前触れもなく発症してしまう脳内出血。だからこそ初期対応が非常に重要です。

2 件のコメント

  • 脳幹出血生き残りのathと申します。私も、脳幹出血がどのくらい危なかったのか、ネットで見て回ったのですが、いくつかの症例報告しか見つかりませんでした。最初に見つけた1980年代の症例報告では大体7割が死亡していました。もう一つの2000年代の報告では3割が死亡していました。そういう意味では3〜7割というところでしょう。内科治療の進展で生存率が上がって来ているのかもしれません。なお、かつては「絶対予後不良」とまで言われていたそうですが、CT/MRIで判定出来るようになって見たら、そこまでの死亡率ではなかったようです。

    • ath様

      コメントありがとうございます。
      脳幹出血だったということですが、大事に至らず何よりです。
      後遺症などは大丈夫でしょうか?

      貴重な情報をありがとうございます。

      確かに脳幹出血であればCT、脳幹梗塞であればMRIですぐに診断がつきます。
      私の病院でも発見次第、大学病院や済生会など患者様の希望に沿う立地条件の大きな病院へ転送しています。

      画像情報の共有や地域連携において一昔前よりも迅速な対応が可能となっているため、死亡率や予後に改善がみられているのかもしれませんね。

      記事への補足として参考にさせていただきます。

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