糖尿病腎症の原因(メカニズム)は?病期ステージと有効な治療法について

糖尿病の3大合併症である糖尿病腎症

糖尿病にかかってから腎症を発症するまでは10~15年とされています。

透析導入となる原因で最も多いのが糖尿病腎症です。

仕事や生活が大きく変わってしまう透析が必要となる前に対策しましょう。

糖尿病腎症とは

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糖尿病になった方でも合併症についてはほとんどわからないという方も多くいます。しかし、糖尿病で最も問題なのはこの合併症なのです。

 

糖尿病腎症は段階を踏んで進行していきます。
最終的には、高血糖状態により腎臓の機能が低下してしまい『人工透析』が必要となります。

 

 

透析をされている患者様は脳出血のリスクが5~10倍にも上がります。

 

 

透析とは週に3日程病院にて1回数時間、身体の血液から尿や余分な水分を抜き取る作業のことです。当然仕事やプライベートにも影響を及ぼします。

 

食べ物や飲み物も制限され、長期の旅行や研修なども難しくなっていまいます。透析をされている方には申し訳ない言い方になってしまいますが、人生の楽しみが減ってしまうのは悲しいことです。

 

今回の話でしっかりと糖尿病腎症のリスクを理解し予防につなげていただければと思います。

 

腎臓の働き

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糖尿病腎症はなぜ起こるのでしょうか。まずは腎臓の機能を簡単にお話しますね。

 

腎臓の働きは主に5つあります。(ここは流しても大丈夫です)

①血液のろ過装置

②血圧の調整

③赤血球の生産を促す

④体内の水分や電解質の調整

⑤ビタミンDの生産

 

血液のろ過装置

血液にはいいものも悪いものも様々な物質が含まれています。そんな血液をきれいにろ過する働きが腎臓にはあるのです。血液中の老廃物や過剰な塩分を排出してくれます。逆に体に必要なものは体内に留めておくという素晴らしい働きがあるのです。。

 

血圧の調整

糖尿病になると高血圧になりやすくなってしまいます。腎臓は塩分と水分の排出量をコントロールすることで血圧の調整を行っています。また血圧を上下させるホルモンを分泌する臓器でもあります。

 

赤血球の生産を促す

こちらもホルモンの働きになります。腎臓から分泌されるエリスロポエチン(覚える必要ありません)というホルモンにより赤血球の生産が促されます。

 

体内の水分や電解質の調整

ダイエットや健康維持でよく耳にするミネラル。体内の水分にはナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質(ミネラル)が一定の濃度で含まれています。この濃度調整を行っているのが腎臓です。

 

ビタミンDの生産

実は人間に必要なビタミンDの半分は日光浴で得られています。ちょっと驚きですよね。残り半分は食べ物がらです。腎臓はこのビタミンDを活発にしてくれる働きがあります。ちなみにビタミンDが不足すると骨がもろくなったりします。

 

 

ふう。少し前置きが長くなってしまいましたね。
ではここからなぜ糖尿病腎症になってしまうのかをできるだけわかりやすくお話していきます。

 

糖尿病腎症の原因(メカニズム)

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上記でお話したように腎臓には様々な働きがあります。
しかし糖尿病になり高血糖状態が続くと腎臓の毛細血管がダメージを負います。
高血圧や動脈硬化と同じ原理ですね。

 

腎臓のろ過機能は糸球体という毛細血管が多く存在する部分で行われています。その毛細血管が破壊されてしまうのです。

 

血液をきれいにろ過する糸球体が機能しなくなったら……
当然排出されるはずであった老廃物が体内に残ったままとなります。その結果、

 

腎不全や尿毒症といった命に関わる状態になってしまうのです。

 

この状態になってしまうと、人工透析が必要な身体になってしまいます。しかし、糖尿病の初期段階からしっかりと血糖コントロールを行うことにより発病を防ぐことが可能です。

 

また糖尿病腎症は悪化の過程に段階があります。
ここから順を追ってどのように進行していくのか見ていきましょう。

 

糖尿病腎症の病期ステージ

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糖尿病腎症の病期ステージは以下の5つに分類されます。

第1期 腎症前期

第2期 早期腎症期

第3期 顕性腎症期

第4期 腎不全期

第5期 透析療法期

 

自覚症状がない糖尿病腎症。
できるだけ早くどの状態であるかを把握したいものです。

 

早期に腎症を把握するには尿の中のタンパク(アルブミン)の値を測定することです。

 

糸球体がダメージをうけ、病期が進行するにつれ尿に含まれるタンパクの量が増えていきます。この尿タンパク(アルブミン)の値により上記の病期分類が行われています。

 

では病期ごとの尿タンパクの値と治療法について見ていきましょう。

 

有効な治療法

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主な治療は血糖コントロールがメインとなります。
また高血糖状態が原因の合併症は高血圧と動脈硬化がその根源になります。ポイントは

 

いかに血糖をコントロールして、高血圧と動脈硬化を防ぐのかということです。

 

腎症前期

アルブミン値が30未満(正常)の状態です。

まだ糖尿病腎症が発症していない状態です。この段階では血糖コントロールに気を付けましょう。ここでしっかりと管理することができれば、発症を抑えることができます。

 

早期腎症期

アルブミン値が30~299(微量アルブミン尿)の状態です。

これまでよりもさらに厳格な血糖コントロールが必要です。またこの時期から血圧が上昇してくる場合もあります。降圧治療も同時に行われます。

 

顕性腎症期

アルブミン値が300以上(顕性アルブミン尿)の状態です。

厳格な血糖コントロールと降圧治療の他、腎臓への負担を考慮し、タンパク質の制限が設けられます。個人差はありますが症状としてむくみが現れます。

 

 

個人的な意見ですが、糖尿病発症からこの段階まできてしまうとなかなか改善は難しいと思います。ここに至るまでにはいくつも生活習慣を改善するチャンスはあったはずです。

厳しい話ですが、糖尿病をはじめとした生活習慣病の多くは自分を律しきれない場合、その多くは悪化の一途をたどってしまいます。

もしあなたがそうであったとしたら、一度家族の顔を思い浮かべてみて下さい。今後は恐らくあなたが想像している以上の様々なリスクが降りかかってくることになります。

 

 

腎不全期

アルブミン値はもう問わない状態です。

この状態になると糸球体でのろ過機能が働かなくなり、尿毒症やネフローゼ症候群などが起こってきます。症状としては貧血、倦怠感、手足の痛みなどです。治療法は降圧治療、低タンパク食、水分制限、透析導入となります。

ここまでくると飲食等は制限され、透析なしでの生活ができなくなってしまいます。

 

透析療法期

透析療法もしくは腎臓移植しかありません。

 

 

いかがでしたでしょうか?

糖尿病の合併症である糖尿病腎症。
現在全国の透析患者数は32万人を超えています。

 

そのうちの半数近くが糖尿病腎症が原因です。
透析を行うまでなるとQOL(生活の質)は著しく低下してしまいます。

 

糖尿病と余命についてはコチラで詳しくお話しています↓

 

糖尿病を発症した場合は早期からの血糖コントロールで合併症の予防を心がけましょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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