糖尿病網膜症は失明の原因第2位!検査方法や費用や治療について

糖尿病の3大合併症である糖尿病網膜症

糖尿病にかかってから網膜症を発症するまでは少なくとも5年かかるといわれています。

自覚症状が現れるころには網膜症がかなり進行している状態です。

 

糖尿病網膜症は失明の原因第2位

glasses-289093_640

平成18年までは成人の失明原因で最も多いのが糖尿病網膜症でした。

高齢化が進んだ最近では緑内障が第1位です。

毎年約3000人もの方が糖尿病により視力を失っています。

 

2014年のデータでは視覚障害の原因は

 

1位 緑内障    21.0%

2位 糖尿病網膜症 15.6%

3位 網膜色素変性 12.0%

4位 黄班変性   9.5%

 

このように失明だけではなく視覚障害の原因としても相当数を占めています。症状は徐々に現れるのではなく、ある日突然視覚異常が出現し、最悪の場合は突然視力を失ってしまうのです。

 

今あなたの生活から視力を失ったときのことを考えてみて下さい。不自由しか思い浮かばないのではないでしょうか?

 

もちろん視覚障害のある方でも普通に生活をされています。しかし、今現在機能している臓器が機能しなくなるということは生活が一変するということです。

 

そのすべては血糖コントロールにより左右されます。まずは糖尿病網膜症とはどんな病気なのか?からお話していきます。

 

 

糖尿病網膜症とは

eye-1173863_640

網膜とは眼球の内側にある薄い膜のことです。

 

この膜は神経細胞が敷き詰められ、それを栄養するために毛細血管が多く存在します。毛細血管でピンときたかもしれませんね。

 

糖尿病の合併症はこちらの記事でもお話しているように高血糖が引き起こす血管障害が原因です。糖尿病網膜症はその進行の仕方から3段階に分けられます。

 

単純網膜症

前増殖網膜症

増殖網膜症

 

よくわからない漢字の羅列ですね。名前は覚えなくても1mmも問題ありません。しかし、どのように進行していくかは頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。簡単にお話していきます。

 

 

単純網膜症

糖尿病網膜症の初期段階です。

 

病変が網膜組織の内部に留まっている状態です。高血糖により網膜の毛細血管がもろくなり、出血やシミができてしまいます。

 

この段階では自覚症状はほとんどなく、血糖コントロールにより改善されることが多いです。

 

 

前増殖網膜症

単純網膜症より一つ進んだ段階です。

 

網膜の血管が詰まり、血液が十分に行き届かなくなります(虚血状態)。血液による酸素供給が足りなくなり網膜だけでなく、血管自体が死んでしまいます。

 

ここからが人体の不思議です。血管がダメになると体は新しくバイパスを作ろうとするのです。

 

『じゃあ大丈夫じゃないの?』

 

とはなりません。血管が増殖することで次の段階に進んでしまうのです。

 

 

増殖網膜症

新しい血管が作られ次々に増殖している段階です。

 

しかし新しい血管はもろく、すぐに出血してしまいます。さらに本来血管がない硝子体(眼球内部)にも血管が伸びてきてしまうのです。そのため眼底出血や硝子体出血、網膜剥離などを起こしてしまいます。

 

この増殖器になっても初期段階ではほとんど自覚症状はありません。身体の中でこんなことが起こっていても自覚症状がないのは怖いですよね。

 

増殖が活発になるほど、視力低下や出血が起こりますここで。初めて自覚症状が現れることも少なくありません。

 

この段階になると進行スピードは早く、血糖状態にかかわらず網膜症が進行していきます。特に年齢が若ければ進行が早いため、注意が必要です。

 

 

そしてこの3段階のうちどの段階でも起こりうるのが、糖尿病黄班症です。

 

 

糖尿病黄班症

黄班とは網膜の中心部にあります。この黄班付近に毛細血管が多発したり、出血などの影響を受けると黄班部が浮腫(むくみ)状態になってしまいます。

 

この場合は網膜症がどの段階であったとしても視力低下などの障害を起こしてしまいます。

 

 

このように失明や視力障害が生じる危険性が高い糖尿病網膜症。不安になりますよね。自覚症状がないならなおさらです。どのような検査でわかるのでしょうか。

 

 

糖尿病網膜症の検査方法や費用

eye-test-1313976_640

糖尿病網膜症で視力機能が失われるのは、増殖網膜症か黄班症です。そのため糖尿病網膜症がどの段階まで進んでいるのかを知ることが重要になります。

 

主に以下の検査が行われます。

 

視力検査

眼底カメラ検査

走査型レーザー検眼鏡

蛍光眼底造影

光干渉断層計(OCT)

超音波検査

 

 

視力検査

誰もが知っている片目を隠して行うアレですね。

『右』『上』この検査のときだけ、妙に勘が当たるという方も多いのではないでしょうか?(笑)

 

 

 

眼底カメラ検査

目の奥に光を当てて網膜を直接観察する検査です。写真を撮ります。

網膜の血管や出血、黄班の浮腫の状態を観察できます。しかし、硝子体出血があれば見えづらいこともあるため、その場合は超音波にて網膜剥離の有無を確認することもあります。

費用は診療報酬で54点(1点=10円)

 

 

走査型レーザー検眼鏡

レーザーを用いて眼底の撮影を行います。簡単にいうと眼底カメラの進化したものです。

下の光干渉断層計との組み合わせにより立体解析も可能となりました。

費用は診療報酬で200点

 

 

蛍光眼底造影

蛍光色素を含む薬(造影剤)を注射で投与し眼底カメラで撮影します。

造影剤を使用するため、より詳しく血管がどんな状態であるかがわかります。

費用は診療報酬で400点

 

 

光干渉断層計(OCT)

眼底に弱い赤外線をあて、反射してきた波を解析します。眼底の断面や血管の状態、大きさや形など様々なことが分かります。

費用は診療報酬で200点

 

 

超音波検査

腹部の超音波検査と同じ原理です。眼球内に超音波をあて反射してきた波を画像化します。硝子体出血や水晶体のにごりがあり、上記検査では観察しづらい場合に行われます。

費用は診療報酬で150点

 

 

糖尿病網膜症の治療

doctor-1228627_640

検査を行い網膜症となった場合はどのような治療があるのでしょうか?

 

糖尿病網膜症の原因である血糖のコントロールはもちろんですが、医学的な治療法もあります。

 

レーザー光凝固術

硝子体手術

薬物療法

 

レーザー光凝固術

単純網膜症よりも進行していた場合に行われます。網膜にレーザーを照射することで網膜を凝固させます。

 

『固めて大丈夫?固めるだけで視力戻るの?』

 

いえ、期待させてしまったかもしれませんが、網膜を凝固させることで血管の増殖を抑えます。つまり視力改善を目的とした治療ではなく、症状の進行を止めるための治療なのです。

 

しかし黄斑浮腫による視力障害であれば、凝固術により浮腫が改善されることで回復する場合もあります。

 

痛みはありませんが、外来で1回20〜30分ほどの照射を3〜4回にわけて行います。

 

 

硝子体手術

硝子体とは眼球内部のゼリーのような組織のことです。透明な硝子体に出血した血液が流れ込んだり血管増殖などにより透明性が失われると視力障害が起こります。

 

眼球に3つの穴をあけて手術器具を挿入。眼球内の出血部や増殖組織を取り除いたりします。また黄斑浮腫の改善や網膜剥離の治療、さらには眼科機能低下の予防として行われる場合もあります。

 

 

薬物療法

抗VEGF薬を硝子体の中に注射する治療法です。ステロイド薬にも似たような効果があります。

 

簡単にいうと血管が増殖する原因となるVEGFという物質の働きを抑える薬です。

 

 

いかがでしたでしょうか?

かなり簡潔にお話しするつもりが、なかなかのボリュームになってしまいました。

 

逆にいうとそれほど視力障害が起こってしまう危険性が高いということかもしれません。

糖尿病合併症も平たく言えば高血圧と動脈硬化が原因で引き起こされます。

 

まずは血糖のコントロールを意識してみましょう!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です