ワレンベルグ症候群は延髄外側の脳梗塞!症状や原因や死亡率について

 

ワレンベルグ症候群ってご存知ですか?
なかなか聞きなれない言葉ですよね。

 

実は脳梗塞の一種なんです。
高血圧が原因となることが多く、30~50代男性によく見られます。

 

ワレンベルグ症候群は延髄外側の梗塞巣

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まずは実際の症例から。

 

53歳男性。高血圧加療中。3日前より顔の右半分に麻痺。
回転性めまいとふらつきもありました。
『朝起きたら突然こうなっていた』ということです。

 

患者様を観察すると右の瞼が下がらない状態で口角も下がったままです。
その影響で発声がうまくできる舌足らずな話し方になっています。

 

採血と脳出血否定のためのCTのオーダー。
その後MRIを撮影します。

 

すると右側の椎骨動脈に解離があり延髄外側に梗塞巣がありました。
ワレンベルグ症候群です。

 

ワレンベルグ症候群とは

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上記の症例のようにワレンベルグ症候群は脳の延髄外側に起こる脳梗塞のことを言います。

 

脳梗塞の一種なんです。
30~50代の働き盛りの男性に多く発症する疾患。

 

若くして脳梗塞?と思われるかもしれませんが20代30代でも一過性の発症することも。一番のリスクは高血圧なので血圧が高い方は以下の症状に気を付けて下さい。

 

ワレンベルグ症候群の症状

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延髄外側に起こる梗塞により様々な症状が現れるワレンベルグ症候群。
脳梗塞と聞くと手足の麻痺を思い浮かべるかもしれませんが

 

 

ワレンベルグ症候群は四肢の麻痺がないことが特徴の1つです。

 

 

その他にも一般的な脳梗塞との違いがあるため症状と特徴を記載します。
少しややこしいためここでは延髄外側の右に梗塞が起こったという設定でお話します。

 

【ワレンベルグ症候群の症状と特徴】

  • 右側顔面の温痛(感覚)障害
  • 首から下は左側の温痛障害
    ※首を境に左右逆の症状になります
  • 四肢麻痺なし
  • 味覚障害
  • 嚥下(飲み込み)障害
  • 構音(発声)障害
  • 口蓋垂が左に傾く(カーテン徴候)
  • めまいや眼振
  • 縮瞳や瞼下垂や発汗減少(ホルネル症候群)

 

このような症状が起こるワレンベルグ症候群ですが、梗塞巣の大きさによりその症状の程度には個人差があるため注意が必要です。

 

では次に原因についてお話していきましょう。

 

ワレンベルグ症候群の原因

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最も多い原因は椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞です。
閉塞の原因として考えやすいものは血管の解離。

 

血管は3層構造になっています。
その層の一部が剥がれてしまうことを解離と言います。

 

 

その解離の一番のリスクファクターは高血圧です。

 

 

高血圧からの動脈硬化による解離や梗塞が一番のリスクとなります。
もし血圧が高いことでお悩みであれば私が血圧を改善した方法を参考にしてみて下さい。

 

 

ではこのワレンベルグ症候群の死亡率はどれほどでしょうか。

 

ワレンベルグ症候群での死亡率

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いくつかの書籍や文献にあたってみたのですが、ワレンベルグ症候群に関する死亡率を表したデータは見つけることができませんでした。

 

しかし、実際の臨床の経験からいうとワレンベルグ症候群での死亡は見たことはありません。もともと内科の病院のため症例数が多くないためかもしれません。

 

脳外などでは死亡例もあるのかもしれませんが……
好発年齢が若いことも死亡率の低さの要因の1つかもしれません。

 

ワレンベルグ症候群の診断

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診断はMRI検査にて行います。

 

MRI検査でMRAという脳の血管を画像化する方法とDWI(拡散強調)という撮影法にて検査を行い、延髄外側に梗塞巣があればワレンベルグ症候群の診断がつきます。

 

ワレンベルグ症候群の治療法

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治療法は対処療法のみです。
ワレンベルグ症候群に対する効果的な治療は未だ確立されていません。

 

原因となる動脈解離や梗塞に対する治療法のみしかないのです。
根本的な解決にはなりませんが、後遺症の軽減やその後の発症を起こりにくくするための治療が行われます。

 

TPA

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発症から4.5時間以内であればTPA(血栓溶解薬)が使用されます。

しかしこの方法は出血のリスクや施行のための条件があるため誰しもに適応される方法ではありません。服薬や年齢、既往歴などを十分の考慮した上で、行われる方法です。

 

手術

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ワレンベルグ症候群は予後が良好な場合が多いため、開頭手術が選択されることは少ないでしょう。

しかし有効な対処の1つです。
動脈瘤などその後のリスクになる所見があった場合は手術適応になる場合も。

メリットデメリットを十分に考慮した上で、検討する必要があります。

 

カテーテル治療

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カテーテルという細い管を足や腕の血管から体内に挿入し、梗塞を起こした血管部位の手前まで侵入させます。

血栓により詰まっている部位に直接血栓を溶かす薬剤を注入することで血管の詰まりを解消する方法です。

しかし動脈瘤があった場合は動脈瘤の破裂や解離の場合は解離をさらに広げてしまうリスクがあるため、誰しもが適応される方法ではありません。

 

抗血栓療法

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ワーファリンやヘパリンの服用により血液を固まりにくくする方法です。
いわゆる血液サラサラの薬ですね。

おそらくほとんどの方がこの方法での治療適応となるでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。
脳梗塞の一種であるワレンベルグ症候群。

 

やはり一番のリスクは高血圧であるため、血圧が高めの方は注意して下さい。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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