造影CTで起こる副作用の症状とは?死亡率は0.00025%で40万人に1人!

 

身体に不調があり、病院に行くと血液検査や診察を行います。
その上で疑われる疾患に対し、診断に画像検査が必要な場合は超音波検査やCT検査、MRI検査が行われます。

 

検査前には必ず検査についての説明と同意がありますが、その説明書の中に

 

『ごくまれに死亡する場合もあります』

 

このような文言があります。
検査で死亡という文字があると心配になりますよね。

 

果たしてその確率はどの程度なのか。
そして副作用の症状とはどのようなものなのか。

 

今回は造影剤を使ったCT検査について副作用の症状や副作用を起こしやすい人についてお話していきます。

 

造影CT検査とは

造影CT検査とは造影剤という薬剤を静脈から注射することにより、画像の情報量を上げる検査です。

 

使われる薬剤はヨード(ヨウ素)が用いられます。
詳しくはこちらをどうぞ↓

 

造影CTに用いられるヨード造影剤とは?(現在作成中)

 

造影CTで起こる副作用の症状

造影剤は比較的安全な薬剤ですが、やはり薬剤であるため他の薬と同様に副作用が起こることがあります。一言で副作用といっても症状は軽いものから重篤なものまで様々です。

 

重症度 症状 発生確率
軽い副作用 かゆみ、吐き気、嘔吐、蕁麻疹、発赤、動悸
くしゃみ、めまい、悪寒、不安感 など
基本的に治療は不要。
約1~2%
重篤な副作用 呼吸困難、血圧低下、意識障害、心停止、痙攣 など
そのまま入院や手術が必要な場合もあり。
後遺症が残る可能性もあります。
約0.004%
死亡例 0.00025%
(40万人に1人)
遅発性副作用 気分不良、蕁麻疹、吐き気 など
ほとんどの副作用が造影剤使用後10分以内ですが
まれに数時間~数日後に副作用が起こる場合もあり。
約2%

 

このような副作用は起こしやすい人とそうでない人がいます。
どのような方に副作用が起こりやすいのでしょうか。

 

造影CT検査で副作用の注意が必要な場合

副作用のリスクが高い方を以下にあげておきます。

 

  • 過去の造影剤を使用した検査で副作用があった場合
  • 気管支喘息のある方
  • アレルギー歴のある方
  • 重篤な甲状腺疾患のある方
  • 心臓の病気がある方

 

 

この5つに当てはまる場合は注意が必要です。
上記の危険因子がある場合、副作用の出現率は3~10倍になるという報告があります。

 

過去の造影検査で副作用があった場合

アナフィラキシーショック(アレルギー)を起こす可能性があります。
造影剤を使用した検査で最も怖いのがこれです。

 

アナフィラキシーショックは以前一度体内に取り込んだことのある物質により起こります。よくスズメバチ関連のニュースで耳にする言葉ですよね。

 

1度スズメバチに刺されたことのある人が2度目に刺されたときにショックを起こす場合はこのアナフィラキシーによるものです。

 

そのため過去の造影剤を用いた検査で副作用の経験がある場合は、原則検査をしない病院が多いです。

 

造影剤副作用歴 比較対象 副作用出現率
副作用歴あり 0.18%
副作用歴なし 0.03%

 

気管支喘息のある方

気管支喘息がある方も副作用の出現率は高くなる報告があります。
そのオッズ比は約10.1倍。

 

ただし5年以上無症状・無治療であった場合は慎重投与で検査を行うこともあります。

気管支喘息 比較対象 副作用出現率
喘息あり 0.23%
喘息なし 0.03%

 

アレルギー歴のある方

アレルギー持ちの方も注意が必要です。
上記2つに比べると副作用の発生頻度は下がりますが、やはりリスクは上がります。

アレルギー歴 比較対象 副作用出現率
アレルギー歴あり 0.1%
アレルギー歴なし 0.03%

 

重篤な甲状腺疾患のある方

甲状腺疾患をお持ちの場合は甲状腺クリーゼを起こす可能性があります。
甲状腺クリーゼとは甲状腺機能亢進症の症状が著しく悪くなることです。

 

早期に治療が必要な状態となります。
そのため甲状腺機能亢進症、多結節性甲状腺腫の患者さんでは造影検査を回避しなければなりません。

 

甲状腺機能低下症や亢進症であっても薬剤によるコントロールができている場合は慎重に検査を行うことは可能と判断される場合もあります。

 

心臓の病気がある方

心疾患がある場合も副作用の出現率は約3倍と高くなります。

心疾患 比較対象 副作用出現率
心疾患あり 0.1%
心疾患なし 0.03%

 

ヨード造影剤の添付文書の記載

以下にヨード造影剤の添付文書に記載されている禁忌・原則禁忌・慎重投与の項目をあげておきます。検査の際は病院で説明と同意が必要となる項目です。

 

禁忌

(1)ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者
(2)重篤な甲状腺疾患のある患者

 

原則禁忌

(1) 一般状態の極度に悪い患者
(2) 気管支喘息の患者
(3) 重篤な心障害のある患者
(4) 重篤な肝障害のある患者
(5) 重篤な腎障害のある患者
(6) マクログロブリン血症の患者
(7) 多発性骨髄腫の患者
(8) テタニーのある患者
(9) 褐色細胞腫おそびその疑いのある患者

 

慎重投与

(1) 親族にアレルギーを起こしやすい体質を有する患者
(2) 薬物過敏症の既往歴のある患者
(3) 脱水症状のある患者
(4) 高血圧症の患者
(5) 動脈硬化のある患者
(6) 糖尿病の患者
(7) 甲状腺疾患のある患者
(8) 肝機能が低下している患者
(9) 腎機能が低下している患者
(10)急性膵炎の患者
(11)高齢者
(12)小児

 

いかがでしたでしょうか。
ここにあげたリスク因子に当てはまる場合はしっかりと医師と相談の上で検査を行って下さい。

 

このような書き方をするとリスクにばかり目がいきがちですが、やはり検査を行うメリットもあります。検査を行わないリスクも踏まえた上で検査をするかしないかを考慮しなければなりません。

 

また少なからずこの副作用の発生確率を下げる方法もあります↓

造影CTの副作用の低減方法(現在作成中)

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

2 件のコメント

  • 8月28日、主人が40万分の1に当たってしまいました。
    オーバーラップ症候群・肝硬変と言う病名を貰っており、肝硬変からガンが発生していないかを調べるためだったとか。
    国内の検査で、40万分の1とは一体年間にしてどの位なのでしょうか?
    「自分がその確率に引っ掛かる筈はない」そう思う患者。
    「自分の患者には関係ない」と言う気持ちになる程の確率なのでしょうか❔
    死に至らなくとも、私の周りには「副作用があった」と言う人はとても多いのですが。
    血液検査は3ヶ月前。検査当日も血液検査をしましたが、結果が出る前に造影剤を投与していたと聞きました。
    医療側はもっと慎重になる必要があるのでは?

    • 岩上様

      心中お察し申し上げます。
      医療業界で働く身として今一度肝に銘じて日々の仕事に取り組んでいきます。

      造影剤の副作用については、医療側としては細心の注意を払って検査を行っていますが
      残念ながら避けることのできない重篤な副作用は必ず存在してしまうのが現状です。

      患者様の立場からすると非常に低い発生率ととらえられることが多いのですが
      医療側からすると毎日検査を行っているため、年間を通してみると重篤な副作用を
      起こしてしまう患者様が一定数必ずいらっしゃいます。

      病を調べるため、治療するための検査で新たな問題が生じるのは本末転倒ですし
      ショックありきで検査を行うことも問題だと感じています。
      しかし検査を行うベネフィットが上回る側面もあるため、なくすことができないジレンマが存在してしまいます。

      血液検査は造影剤の排出が問題なく行えるか、腎臓の機能を調べるのですが
      意識障害や心肺停止はアレルギーであるため事前に調べることができないのが
      現状です。

      ショックが起こってしまったときを考え、緊急時の研修や勉強会を行ってはいますが
      私個人としては根本的な解決策を見直す必要があると考えています。

      ご指摘を踏まえて、より慎重に検査を行ってまいります。

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